襖製作を見学してきました
最終更新日:2023年6月21日
設計室 平尾真智子
先日、襖製作の見学に行ってきました。
現在は、分業になっており襖の芯材を造る職人さん、襖紙を張る職人さん、縁職人さん、そして引手を造る職人さん、1枚の襖の製作にも複数の職人さんが関わられています。
今回は最初に、襖芯を作られている会社を見学しました。
見えなくなる部分ですが、長い年月お使い頂いても歪みや反りが少しでも出にくいよう、厳選された無垢の杉材を使って製作されており、作り手の『こだわり』と、使い手への『思いやり』を感じました。
襖は、物件により寸法、引手の高さもそれぞれ異なりますし、地域によって特徴もあるそうです。ですので、1枚1枚ご注文に合わせて丁寧に製作されていました。
また、最後の工程で登場した襖を裁断する機械では、入力寸法が『尺寸』でした!
機械化されても『尺寸』が使われて続けているところに、襖が日本ならではの伝統文化なんだと実感しました。
次に、襖紙を張る表具屋さんにお邪魔しました。
先ほど完成した襖芯に、弊社では襖紙として土佐和紙を使っています。
こちらでも、襖本来の美しさは損なうことなく、使い続けて頂く上で紙のしわや、垂れがでにくい工夫を施し、紙の特性を生かしながら美しく張られていました。
襖紙は、『貼る』ではなく『張る』と言います。
これは、襖紙を全面に糊付して貼るのではなく、紙の四周だけ糊付し『張(る)』られているため、こちらの漢字が使われます。
ですので、襖紙は襖芯から浮いているため、どことなくふっくらとした雰囲気を感じられるのではないでしょうか。
襖の需要も年々減り、職人さんも高齢化が進み激減しているそうです。
弊社では、日本の伝統的な職人さんの技術、素晴らしさを皆様にお伝えできるよう、活動を進めております。
1000年以上の歴史がある日本の素晴らしい伝統文化であり、日本人の生活習慣に溶け込み機能美も兼ね備えた襖の良さも、皆様に少しでもお伝えできますと幸いです。
弊社公式YouTubeチャンネルでは和風建築を未来へと継承するために始動した「木のすまいプロジェクト」を公開しております。
本ブログ内でありました襖工についてご紹介しております。
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【木のすまいプロジェクト】襖工-fusuma- 第四章 「襖下地の材料」
【木のすまいプロジェクト】襖工-fusuma- 第五章 「下地骨」
【木のすまいプロジェクト】襖工-fusuma- 第六章 「紙張り」
【木のすまいプロジェクト】襖工-fusuma- 第七章「引手」
【木のすまいプロジェクト】襖工-fusuma- 第八章 「上張り」
【木のすまいプロジェクト】襖工-fusuma- 第九章 「縁の取付」
【木のすまいプロジェクト】襖工-fusuma- 第十章「 釣り込み」