和室の魅力と機能性
神戸東モデルハウススタッフ 長野 由希
マイホームを新築するとき、和室を作るか、作らないかで悩む人は多いのではないでしょうか?
近年、生活スタイルがどんどん洋風化し、和室を持たない家が主流になっています。またその一方で、和室の持つ、暖かい落ち着いた雰囲気、畳ならではの味わいが最近見直され、ゆっくりとくつろげる和室を要望する人が増えているのも事実です。湿気の多い、日本の風土の中で生まれた和室は、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことのできる機能的な部屋。
そんな和室の魅力についてご紹介します。
和室のメリット
洋室に比べて用途が幅広い
フローリングの洋室と異なり畳は柔らかいので、そのまま来客スペースにもでき、横になることもできます。
特に子育て中のご家庭では、赤ちゃんを畳の上で寝かせたり、ハイハイさせたり。来客時には布団を敷いて寝室としても使用することができます。和室が一部屋あるだけで自由自在な使い方ができる汎用性の高さが和室の大きな魅力です。
空気清浄効果やリラックス効果がある
昔は和室がある家が多かったので、和室にいるとホッと落ち着く方も多いでしょう。和室には空気清浄効果やリラックス効果があります。
これは畳に使われている【い草の香り】によるものと言われています。い草には、睡眠効果やリラック効果があり、心を落ち着かせてストレスを癒してくれます。い草は空気を浄化する効果もあり、芳香成分には殺菌作用があります。空気中のホルムアルデヒドや二酸化窒素を吸収し、空気をキレイにしてくれます。
室内の湿度を調節する効果がある
畳に仕様しているい草は、湿度が高い時には湿気を吸収し、乾燥時には湿気を放出するため快適な湿度を保ってくれます。冷暖房を使わなくても夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるので、寝室や家族団らんのスペースにも最高な環境です。
大容量の押入れを設置できる
和室に押入れは大容量の収納スペースになります。洋室のクローゼットよりも奥行きがあるため、季節ごとのお洋服や羽根布団など収納するのに便利です。
次に畳についてご紹介します
畳について
畳のサイズには様々な種類があり、地域によって用いられるサイズが異なります。ちなみに間取り図などで部屋の大きさを畳数によって表記する際は、不動産表示規約の取り決めにより1畳=約1.62m2以上で換算されます。
この畳は江戸間ですか?京間ですか?とお客様からよくご質問を頂くのですが、
{京間(本間・関西間)}
畳のサイズで最も大きいのが京間(きょうま)です。本間(ほんま)や関西間(かんさいま)と呼ばれることもあります。
関西地方と四国地方、中国地方、九州地方で畳のサイズといえば京間が一般的で、一畳あたりの大きさは191cmx 95.5cmになります。
{江戸間}
文字通り東京を中心とした関東地方をはじめ、静岡以北のエリアで使用されています。大きさは1.76m×0.878mなので、6畳間の広さは9.27㎡です。縦の長さが5尺8寸あることから、正式には「五八間」といいますが、「関東間」や「田舎間」と呼ばれることもあります。
畳の魅力
◾️湿度を調整してくれる
畳には水分を吸収したり放出したりする調湿作用があります。吸湿量は1畳で大体500mlと言われるほど大容量。
梅雨から始まって高温多湿になる夏場の時期には、優れた吸湿性によって室内の湿度を快適に保ってくれます。加えて、水分を放出する性質は乾燥する冬場に室内の乾いた空気を潤してくれるため、健やかに過ごすことができるのです。
◾️断熱性に優れている
畳は外気を遮断して室内の空気を外へ逃さないため、保温の面でも優れた効果をもたらします。畳の厚み(一般的なものは5cm程)と内部に含んだ空気で冷たい外気を遮断し、寒い冬でも室内を暖かく保つことが可能です。また、暑い夏は空調の冷気を外に逃さないため、快適に過ごすことができます。
◾️防音効果がある
畳特有の厚みと空気をたっぷり含む構造が防音効果をもたらします。和室には静かなイメージがありますが、畳が音を吸収してくれることもあって、実際にフローリングより静かなのです。また、畳の上を歩く時きも歩行音を吸収してくれるため、階下に騒音が響くのも防止してくれます。
◾️柔らかく、衝撃を吸収してくれる
畳はフローリングのような板張りの床材に比べて柔らかいという特徴があります。高齢の方や子どもが転倒しても怪我をしにくいので、安心して取り入れることができます。
また、独特のクッション性があるため、座り心地や寝心地が良く、歩いた時の足触りが良いのも魅力です。
次に当モデルハウスの和室にも使用しているワーロン紙の魅力についてもご紹介させて頂きます。
【ワーロン紙】とは
和紙をポリ塩化ビニール樹脂で貼り合わせて加工した障子シート。
日本の伝統美である「和紙」の趣ある風合いや独特の質感を最大限に生かしながら、一方で破れやすい・汚れやすい・燃えやすいといった紙の弱点をラミネート技術で克服したものです。
ワーロン紙の魅力
■ 障子紙に比べて容易に張り替えられる
和紙タイプの障子を張り替えする場合、糊付けが必要です。慣れていないと作業に時間がかかり、張り替えをするのが億劫になることもあるでしょう。アイロン接着タイプの障子もありますが、それでも手間はかかります。
その点、ワーロン障子であれば、両面テープで簡単に貼り付けることが可能です。面倒な糊付けの手間を省けるだけでなく、障子や部屋が糊で汚れる心配がありません。
■ 耐久性が高いため長持ちする
一般的な障子紙は非常にデリケートで、破れやす<日焼けもしやすいです。そうした障子紙のデメリットを補強したのがワーロン障子といえます。
・日焼けしにくい
一般的な障子紙の原料には、光を浴びると変色しやすい性質をもつ成分が含まれています。そのため、障子が日焼けして変色しやすいのが難点です。
その点、ワーロン障子はラミネート加工が施されているため、日光の影響を受けにくい性質があります。日焼けしにくく、長期間キレイな状態を保ちやすいのがメリットです。
・破れにくい
ワーロン障子は耐久性に優れており、破れにくいです。
小さなお子さまがいる家庭だと、障子を触って指で穴を開けてしまうといったことはしばしば起こるものです。その点、ワーロン障子は破れにくいので少々のことで穴が開く心配はありません。
また、和紙の障子紙は水に弱く、濡れると破れやすくなりますが、ワーロン障子は水に強い特徴もあります。
■ 日々のお手入れを簡単にできる
ワーロン障子は水に強く、商品によっては水拭きも可能なので、お手入れが簡単です。雑巾などでしっかりとこすって汚れを落とすこともできます。
ラッタンバリーの和室
オーガニックハウスの和室は 一階中央に位置するキッチンから見える美しい建具奥に広がります。低めの天井、い草の感触、黒い畳縁など日本人の琴戦に触れる凛とした佇まいです。伝統の静謐空間を連続する他の空間と融合させるために障子や天井格子を同一の幾何学模様のデザインモチーフで統一しています。又、床の間の棚の下に照明が床の黒御影に光で幾何学模様を描く工夫がされています。
従来の日本の和室とはまた違った上質な空間を是非体感しにいらして下さい。