オーガニックハウスが色あせない理由とは
住宅営業部 明石美智子
今回はオーガニックハウスのアトラクティブの一つでもあります色あせない理由を少し掘り下げていきたいと思います。
色あせないとは・・。
建物は経年と共に経年劣化していきます。
経年劣化とは時間の経過とともに品質が低下することをいい、日光や湿気による劣化が進みます。外壁の色あせ、木部の劣化、窓枠、サイディング目地のゴム系の劣化、塩ビ系の樋などの劣化、アイアン系のエクステリア門扉などの錆などなど、自然環境にさらされている建物の外観の劣化自体を止めることは不可能です。
ですが・・経年劣化を「味」「風合い」として美しく見せる建築資材があります。
神戸東モデルハウス
煉瓦はそれにあたります。
明治時代に日本で広く使われだしたこの素材は粘土や泥を型に入れ、窯で焼き固めて作られる建築材料です。その歴史は古くメソポタミア文明の時代から使われている資材だそうです。
煉瓦は紫外線や雨風に強く、抜群の耐久性があり、塗装などは一切必要ないものです。
また、そもそもの焼きムラにも味がありますが、年月を帯びると風合いが出てきます。
苔が生えたり、雨、風にあたり黒ずんできたり・・ノスタルジックな魅力を醸し出してくれます。
南禅寺
明治時代に煉瓦を用いた建築物は全国にありますが、京都にある南禅寺の水路閣は有名ですね。
レンガのアーチは洋風の建築物であるにもかかわらず、和風の境内にしっくりと溶け込み、その佇まいは時を経て人々の心を惹きつけてやみません。
本題をオーガニックハウスに戻します。
オーガニックハウスでは煉瓦素材のタイルを使うことがよくあります。
薄くタイル状なのですが素材は煉瓦ですので、風合いは格別です。
またスクラッチタイルという煉瓦色のタイルを用いることあります。
明治村に移設されたフランクロイドライトの実物件、帝国ホテルの外壁や内部に使われており、世界で初めて外壁にスクラッチタイルを用いた作品だそうです。
100年経っても色あせないとは、100年の時を経て素材の味が出て色味などに渋さが増すということでもあります。
まさにいぶし銀の世界です。
オーガニックハウスは外壁の色をオーク調でまとめる傾向にあります。
自然界からの色で地面に根付くように建てるオーガニックハウスは近隣の自然色(廻りにある石や木や山)などに溶け込むような色目を用います。
オーク調はまさに自然界からの色のチョイスです。
経年劣化を踏まえた素材や色選びが、長く色あせない住宅を創り出しているのです。
余談になりますが、経年変化が美しい建築素材に屋根材に用いる銅板があります。
施工直後はキラッと金属の輝きなのですが、年数が経過すると色が変化します。銅は、雨にぬれたり空気に触れたりすることで酸化して錆が発生し緑色に変色するのです。この現象を緑青(ろくしょう)と呼びます。
緑青のふいた屋根はターコイズブルーでとても艶やかです。
明治神宮
元来、日本の建築思想はとてもエコロジーなもの。
フランクロイドライトの建築思想に通じるものがございます。
こちらもご参照下さいませ。
どうですか。経年劣化を経年変化と呼び、魅力に変えていくオーガニックハウス。
100年経っても色あせない理由を少しでもご理解頂けますと嬉しいです。
今後も少しでもオーガニックハウスの魅力をお伝えできます様、ご紹介していきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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