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『木という素材を最大限に活かし美しいラインのイスを作る』木心通信アーカイブ

2023.05.20

神戸東モデルハウス_ダイニング

 

神戸東モデルハウスのダイニングは居心地が良くスタッフもおススメのスペースです。

そのダイニングには空間にもマッチした、座り心地の良い椅子が置いてあります。椅子を作っている工房を以前見学させていただいたので、その記事をご紹介します。

 

–以下は2012年2月号 木心通信Vol.31 の記事です。–

先日、三木市にある徳永家具工房さんへ見学にお邪魔させていただきました。

ご縁があり、当社の神戸東モデルハウス「オーガニックハウス」にて椅子を使用させていただいており、「ぜひ一度、工房へ見学にいらしてください」というお話から実現しました。

長年、家具職人としてのキャリアを持つ徳永さん。4~5年前、日本で最初の「金物のまち」として有名な三木市在住の鍛冶職人の大原康彦さんの作るカンナとの出会いをきっかけにサンドペーパー(紙やすり)で仕上げるのではなく、カンナで仕上げる椅子ができると、椅子作りに取りかかられました。

 

 

サンドペーパーで仕上げると木の導管に細かい削りくずが入ってしまい導管が目詰まりしますが、カンナで仕上げることにより木の順目、逆目も関係なく削ることができ、なめらかに仕上がっていきます。

木本来のもつ性質を活かすことにより手触り、質感が全く異なってきます。

その手触りの違いは、イギリスのウインザーチェアの職人が「ベビーフェイス」と表すほどのつるつる感。徳永さん自身もこのカンナに出会い、木そのものが持つよさを改めて感じ、その素材を最大限に活かすために様々な大きさ、形のカンナを作り、椅子を作り上げていきます。

 

 

カンナは材料となる砂鉄を自ら採取に行き、日本古来の製鉄法の「たたら」から作り出される玉鋼で出来ています。また、このカンナの刃は実際に工房で作業されるの鍛冶職人の大原さんが見て、大きさ、厚みなどを変化させ、進化していったそうです。このこだわりが、カンナは「台で削る」といい、木にカンナを押し付けて削るという従来の概念を覆す切れ味が実現し、力を加えずにやさしくなでるように削っていく「浮かし削り」と称する削り方ができます。これにより生み出されるのが徳永家具工房さんの椅子です。

一般的に、売られるときが一番キレイな状態ですが、こちらの工房で作られる椅子は使っていくうちに、色、つや、味わいを増し、表情を変えていきます。これもカンナで仕上げることにより、木が導管を通じて呼吸し、椅子へと形を変えても生き続けているからこそのものです。座っているだけでも木の息遣い、ぬくもりが伝わり、森林浴をしているような心地になります。

日本人は長い歴史の中で自然を共生し、自然界に存在する様々のものの特性を知ることにより得た知恵を大切に時代とともに進化させ、脈々と受け継いできました。その優れた伝統、技術も今後も大切に受け継いでいかなければいけないと和紙を使ったペーパーコードを取り入れた椅子作りのプロジェクトも進行中とのことです。

 

 

徳永工房の皆さんの木、玉鋼などの素材へのこだわり、思いは当社の人にも自然にもやさしい家づくり精神と通ずるものを強く感じました。人、素材との出会い、様々のすばらしい出会い、ものづくりに対する情熱の大切さを感じる貴重な時間となりました。

そして、私たちも家づくりへの思いを強くしました。

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徳永家具工房
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